東京コンソーシアムでは、2022年9月16日に今年度第2回目のイベントとして、ミドル~レイターステージ及びそのステージを目指すスタートアップを対象に、事業計画を具体化させるために必要な資本政策に関する理解を深めていただける、「ユニコーン級企業創出に向けたマインドセットイベント」を開催いたしました。当日は株式会社ユニコンファームCEO田所雅之氏をお招きし、ご講演いただきました。本イベントはCIC Tokyoでの現地開催で、約60名の方々にご参加いただきました。
初期のスタートアップにおいてはPMF(プロダクトマーケットフィット)させることが非常に重要です。ただし、ミドルレイタ―期以降となると、ポートフォリオの視点が欠かせない肝となります。そのような視点で成長戦略を描くために大切なことは、事業における「ムリ・ムダ・ムラ」を減らすことです。
まず、「ムラ」に関しては、3つのうち最も抜けてしまいやすい部分です。特に大規模なスタートアップ組織では、ムラが生じてしまう傾向にあります。スタートアップの持続的な成長のためには、ファイナンス、プロダクト、マーケティング、ガバナンス等、様々な側面でバランスが取れていることが重要です。
また、「ムリ」とはそもそも狙うべき市場が定まっていないことを意味します。顧客や市場をセグメンテーションし、どこにどれだけマーケティングをするかが重要です。このように、狙うべき市場を「ムリ」なく攻略していく戦略を考えること、これが「ムリ」を減らすことにあたります。
最後に「ムダ」を減らすためには、自社にとって重要な事項とそうでない事項を判断することが必要です。自社にとってのCSF(Critical Success Factor)は何であるかを考え、それに沿ってディフェンシブアセットの構築を目指すことが重要です。
MOATとは事業という城が外敵(競合)から攻められたときに、事業を守り続けてくれる”堀”を指します。ミドル~レイター期のスタートアップにとっては、自社にとってのディフェンシブアセットは何かを明確にし、その優位性やディフェンスの要素をしっかりと言語化できることが大事です。
特に、MOATを構築する上で起業家の権威性は大事です。スタートアップがシリーズA以降になった際、創業者がその事業領域の権威性を持っているかどうかが、企業のカルチャーや優秀なキーマン採用の面で大きく作用します。
そして、起業家は常に頭の中に「ディフェンスポイント」をおいてあると、勝ち筋に気づけると思います。勝ち筋に気づくためのポイントは100社あれば、100通りあるかと思いますが、常に「ディフェンスポイント」を考えることでMOATが構築でき、事業の成功確度を上げることができると思います。
ストーリーとしての競争戦略を描くうえで、フライホイールを設計することが重要です。フライホイールとは、日本語だと羽根車という意味です。自分たちのCSFを見つけ出し、CSFに対してどうすれば、ポジティブなループを掛け合わせて成功し続けられるか設計することが重要です。1つ1つの事例で展開される個別のストーリーが相互的に絡み合うことで、強力なディフェンシブアセットを作ることができます。
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