東京コンソーシアムでは、2023年1月6日、スタートアップや、スタートアップを支援する様々なプレーヤー(企業、VC、大学、自治体等)を対象に、海外市場も取り込んで成長する上で必要な要素やアプローチ・支援等について理解を深めていただける機運醸成イベントを開催いたしました。当日は株式会社TBM 執行役員CSOの山口氏にご登壇いただき、「グリーン領域における新素材スタートアップの歩みとこれからの挑戦」についてご講演いただきました。本イベントはオンラインで開催し、約60名の方々にご参加いただきました。
東京コンソーシアムの概要とこれまでの取組、グリーンスタートアップ支援の開始について説明を行いました。気候変動は世界的に喫緊の対応が求められている中、それをネガティブに捉えるだけでなく、ビジネスのチャンスとして活用することもできます。カーボンニュートラルをはじめとするサステナビリティの実現においては、多くのステークホルダーと連携するエコシステムの構築が求められており、東京コンソーシアムとして、今後の成長領域であるグリーンスタートアップ支援を始めていくところです。
ご講演では、株式会社TBMの実施している「素材&製品ビジネス」「資源循環ビジネス」2つの事業内容や実施の背景について、ご紹介いただきました。
■ 「素材製品ビジネス」については、独自の技術により石灰石を主原料とした新素材「LIMEX」について、ご紹介いただきました。LIMEXは印刷物や袋、食品容器、文具、玩具、生活雑貨、包装、ラベルなど各種プラスチック、紙製品の代替品として、現在、10,000以上の企業や自治体等で採用されており、グローバル展開を進めています。LIMEXの展開により、枯渇リスクの高い、希少性の高い資源の使用量を抑えて、資源保全や気候変動に貢献することを目指しています。
■ 「資源循環ビジネス」については一度流通したLIMEX と廃プラスチックを回収・再生し、次の素材の原料として循環させることを可能とするモデルです。回収から再生まで自社で行うことで、循環可能なプラットフォームを構築するとともに、ビジネスのポテンシャルを最大化しています。素材メーカーの立ち位置に留まらず、再生素材「CirculeX」を用いた製品展開、社内外のリソースを適材適所で組み合わせて構築する資源循環プラットフォーム事業、そして自社運営するリサイクルプラントを国内外に拡大していくことによって、資源循環の促進を目指しています。
■ また、これらのTBM社のビジネスについて、新素材と資源循環の事業開発の歩みをご紹介いただきました。TBM社のエコロジーとエコノミーを起点とした事業展開について、プラスチックの代替、紙の代替、かつそれを資源循環させていくまでの経緯をお話いただきました。
■ 最後に、グリーンサスティナビリティ領域での事業開発のポイントをお話いただき、オープンイノベーションの推進、既存業界との連携、多様な人材活用、デジタル活用、社会課題へのアプローチの5つのポイントをご説明いただき、TBM社がどのようにこれらのポイントに取り組んでいるのか、最新の状況をお話いただきました。
■ 質疑応答では活発な意見交換が行われ、海外進出においてのご経験やポイント、TBM社のビジネスの着目点、今後の取り組みの方向性など、多数のご質問をいただきました。