
実施概要
本取り組みでは、東京都内自治体と民間企業等の連携を促進することを目的に、自治体連携リバースピッチを実施しました。
今回は、自治体ごとのブースを設置し、各自治体が抱える課題やニーズを来場者に直接発信しながら、個別に対話できる形式で開催しました。来場者が関心のあるテーマに応じて各ブースを訪れ、具体的な相談や意見交換を行える構成としたことで、関係構築や今後の連携可能性につながる場となりました。
本企画は、単発のイベントとして実施したものではなく、2025年夏に開催した自治体連携ワーキンググループ(WG)での議論を踏まえて具体化したものです。WGでは、東京コンソーシアム広域自治体による継続的に実施可能な仕組みづくりを目指し、自治体連携だからこそ生み出せる有望スタートアップとの出会いの機会や、協業創出につながる場のあり方について意見交換を行いました。
その中で、テーマ設計から運用までを実際に進めていく最初の取組として、リバースピッチ形式の実施方針を整理し、参加自治体の声を踏まえながら準備を進めてきました。
WGでは、事前アンケートやヒアリング結果も踏まえ、自治体ごとに注力分野や課題感が異なる一方で、複数自治体が共通して取り組みやすいテーマ設定の必要性が確認されました。あわせて、個別性の高いテーマよりも、より多くの自治体・スタートアップが参加しやすく、広域連携のメリットを活かせる観点から議論を重ねた結果、今回のピッチテーマの軸を整理し、イベント実施へとつなげました。こうした事前の対話を経たことで、当日の発信内容にも一定の方向性が生まれ、自治体側にとっても、自らの課題を整理しながら外部に伝える機会となりました。

実施プログラム
当日は、以下の流れでプログラムを実施しました。
- 1.ご挨拶・イントロダクション
- 2.自治体リバースピッチ
- 茨城県「広域自治体における課題感」
- 宇都宮市上下水道局「スタートアップの技術を地方都市で最適化~宇都宮市をフィールドに共創型実証事業~」
- 渋谷区「備蓄品の管理、自助力UP」
- 3.各自治体ブースでの個別質疑応答
- 4.トークセッション
- テーマ:「自治体における実証の進め方」
- 6.写真撮影・ネットワーキング
特に、各自治体ブースでの個別対話は、来場者がそれぞれの関心領域に応じて具体的な話を聞ける場として機能し、全体会だけでは得られない深いコミュニケーションにつながりました。自治体側にとっても、参加者の反応を直接得ながら説明できる形式であったため、課題発信の手応えを感じやすい機会となりました。

創出できた成果
今回のリバースピッチでは、自治体と参加者との接点づくりにとどまらず、次のアクションにつながる成果も確認されました。
- ・会場で名刺交換を行った参加者のうち、2~3社と継続的な連絡につながる関係を構築
- ・初めてこの種の連携イベントに参加した自治体にとっても、ネットワーク形成やノウハウ蓄積の機会となった
- ・自治体が抱える課題を直接共有することで、具体的なマッチングや協業検討に向けた手応えを得ることができた
また、WGでの議論を経てイベントを設計したことで、単なる情報発信の場にとどまらず、自治体連携の仕組みを実際に動かしてみる実践の場として位置づけられたことも、今回の成果の一つといえます。参加自治体にとっては、他自治体のテーマ設定や進め方も参考となり、今後の展開を考える上での知見共有にもつながりました。
実施してよかった点
- ・ブース形式により、参加者の関心に応じた個別対話が実現できた
- ・自治体ごとの課題やテーマの違いをふまえつつ、広域連携としての見せ方を試行できた
- ・ネットワーキングを通じて、継続的な関係構築につながる接点を形成できた
- ・自治体側にとっても、課題やニーズを整理し、外部に伝える実践機会となった
今後に向けて
一方で、今後さらに成果につなげていくためには、準備段階における情報整理や、イベント後のフォローアップ導線の設計をより強化していくことが重要です。WGでも、自治体内部での課題整理や関係部門の巻き込み、実証や協業の出口設計といった論点が挙げられており、こうした点は今後の継続実施に向けて引き続き重要な視点になると考えられます。
今回の取組を通じて、自治体連携によるリバースピッチが、自治体とスタートアップ等の新たな接点を生み、協業の可能性を広げる有効な手法であることを確認することができました。今後も、自治体間で知見を持ち寄りながら、継続的に実施可能な仕組みへとつなげていくことで、東京圏全体での共創の加速を目指していきます。