Tokyo Physical AI Summit ~ものづくり×AIが再定義する産業実装の最前線~ 開催レポート

■概要

2026年9月2日(水)、Tokyo Innovation Base(TIB)にて、東京コンソーシアム主催による「Tokyo Physical AI Summit ~ものづくり×AIが再定義する産業実装の最前線~」を開催いたしました。本イベントは「TECHNIUM Global Conference 2026」のサイドイベント及び「Global Startup EXPO 2026」のプレイベントとして開催いたしました。

本イベントは、東京圏一円のスタートアップ・エコシステム形成に向け、事業拡大期にある「フィジカルAI」分野の大学及び研究開発法人発スタートアップと、大企業やVC/CVC等とのマッチング及びアライアンス創出を目的として実施いたしました。

当日は119名が参加し、事業会社やVC/CVCの参加者が全体の約6割を占めるなど、フィジカルAI領域における事業連携や投資への高い関心がうかがえました。

会場では、大学・研究開発法人発のスタートアップ6社によるピッチセッションをはじめ、スタートアップ・VC・大企業CVC・支援機関によるパネルディスカッション、参加者同士のネットワーキングや事前予約制の個別面談が実施され、新たなパートナーシップに向けた活発な交流の場となりました。


■パネルディスカッション「フィジカルAI共創の要諦:スタートアップのポテンシャルを引き出す協業体制とは?」

パネルディスカッションでは、株式会社東京大学エッジキャピタルパートナーズの郷治友孝氏、トヨタ・インベンション・パートナーズ株式会社の清水正之氏、株式会社LexxPlussの阿蘓将也氏が登壇し、株式会社日本総合研究所の東博暢氏をモデレーターに、「事業会社とスタートアップの共創」をテーマとした議論が行われました。

議論では、フィジカルAIの社会実装やグローバル展開を進める上で、技術の先進性だけでなく、実際の現場ニーズを的確に捉え、スタートアップと大企業が早期段階から連携することの重要性が示されました。また、日本の強みである高い品質や製造基盤を生かしながら、国内外のサプライチェーンや企業との連携を深めていく必要性についても議論が交わされました。さらに、法令等による規制や企業内の制度・プロセスを見直し、フィジカルAIの社会実装を後押しする環境整備の必要性についても意見が示されました。

加えて、政府による支援や調達機会の拡大を追い風として捉え、官民が連携しながらフィジカルAI領域のスタートアップの成長やグローバル展開を後押ししていくことの重要性についても議論が及びました。

セッション後には、本イベントと連携する「Global Startup EXPO 2026」について、総合ディレクターを務める東氏より紹介がありました。

なお、パネルディスカッションの詳細内容については、別途公開予定のレポートにてご紹介します。

■大学・研究開発法人発スタートアップによるピッチ(登壇順)

ピッチセッションでは、フィジカルAI分野で先駆的な取組を進める大学・研究開発法人発のスタートアップ6社が登壇し、自社のコア技術や解決を目指す課題、大企業との連携ニーズについてプレゼンテーションを行いました。

ARAV株式会社


既存の建機に後付けする装置を利用することで遠隔操作・自動運転を実現する技術を紹介し、土木や砕石などの屋外現場における人手不足・危険作業の解消に向けた取組をご発表いただきました。建機を保有する企業や商社、センサーメーカー等との連携に対する期待が示されました。

株式会社commissure


触覚・身体情報学を基盤としたフィジカルAIの実装支援事業について、ロボティクス導入に向けた人材育成、現場データの取得、実装に至るまでの一連の取組をご発表いただきました。今後の展望として、データ取得対象となる現場を有する企業との連携を模索していることが紹介されました。

HarvestX株式会社

工学と農学を融合した農業の完全自動化システムについて、ロボットによるイチゴの自動授粉や、生産設備一式をパッケージとして提供する取組をご発表いただきました。併せて、収穫や間引きの自動化に向けた今後の展望や、総合商社と連携した海外展開についても紹介されました。

XELA Robotics株式会社


ロボットに人のような触覚を与える薄型・高密度の触覚センサーを紹介し、自動化が困難とされてきた製造・物流分野における柔軟物把持技術や、農業への活用可能性についてご発表いただきました。今後の展望として、量産化や触覚データ解析ソフトウェアの提供に向けた資金調達のニーズが示されました。

輝翠株式会社


傾斜地でも走行可能な農業用無人自動走行ロボット「Adam」を紹介し、運搬・草刈り・農薬散布等の農作業の自動化や、農場データ収集に向けた取組をご発表いただきました。今後の展望として、量産化や海外展開に向けた資金・技術面での連携に加え、販売・導入をともに進める事業会社との協業に対する期待が示されました。

株式会社TriOrb


独自の球体駆動機構による全方向移動プラットフォームを紹介し、狭所や悪路における搬送作業の省人化と、製造ラインのフレキシブル化に向けた展開可能性をご発表いただきました。今後の展望として、工程間搬送に課題を持つ製造業や、同機構を活用した新たなロボット開発に関心を持つ企業との協業ニーズが示されました。

■ネットワーキング/個別面談

当日は、参加者同士による活発なネットワーキングに加え、登壇スタートアップと投資家・事業会社との個別面談を15件以上実施し、投資や協業に向けた具体的な意見交換・協議が行われました。さらに、イベントをきっかけに、後日20件を超える面談が実施・調整されるなど、継続的な関係構築につながっています。

イベント後のアンケートでは、回答者の7割以上がピッチ及びパネルディスカッションについて「非常に満足/満足」と回答し、参加者から高い評価をいただきました。さらに、多くの回答者から登壇スタートアップとの「協業検討」や「投資検討」に対する意向が示されており、本イベントは、参加者間の関係構築に加え、登壇スタートアップと事業会社・投資家との新たな連携や事業機会の創出につながる機会となりました。

■まとめ

本イベントは、フィジカルAIという日本が注力する産業領域において、独自の技術を持つスタートアップと、協業ニーズや資金を有する事業会社・VCが一堂に会し、産業実装に向けた課題と可能性を共有する貴重な機会となりました。東京コンソーシアムは、今後もスタートアップの成長を加速させるとともに、事業会社や投資家、自治体、スタートアップ支援機関等との強固な連携・共創の場を継続的に提供し、イノベーションの社会実装と東京圏のスタートアップ・エコシステム形成を推進してまいります。

東京コンソーシアムでは、今回登壇したスタートアップ各社のご紹介も行っております。ご興味をお持ちいただいた方は、是非、事務局までご連絡ください。

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